Huluにおける、「WALKING DEAD」のシーズンが終了してしまいました。
超〜〜〜〜〜〜いいとこで終わるので、なんだこのマゾさはと思いましたが、まあしょうがない。
新シーズンは来年までおあずけです。
さておき、ローリ役のサラ・ウェィン・キャリーズはなにかこう、信用できない偏見を持たずにおれません。
彼女は「プリズン・ブレイク」をシーズン2で降りています。ちょっとそれはありえないでしょう? ゴシップによればそれは、家族との時間を取りたいからなんとかということなんですが、おかげで「プリズン・ブレイク」のシーズン3は悲惨なものになっています。なんていったって、マイケル・スコフィールドの強い動機になる人物だからです。
この「WALKING DAED」においても、彼女の立ち位置はものすごい重要です。ところがネタバレをするなら、彼女は突然いなくなってしまう。
降りたのでしょうか? そんな勘ぐりをしてしまいます。
作品につきあえないなら、なぜ俳優をしているのでしょうか?
俳優にとって、作品や出演者が家族になれないなら、これほど本人にとって不幸なものはありません。
まあ、んなこたあさておき、今日はちょっとあるお店の忘年会です。
こちらのお店のママさんは、母の古い付き合いの仲良しさんです。
僕も大好きで、父の密葬にも参加した方です。というか、父が大変親しくしていた方でもある。
そちらの忘年会へ、母の代理で参加しました。
若輩一人、ちょっと浮いていたのですが、隣り合わせになった山村さんという方が、92歳と伺って超びっくり。
だって一人で飲みに来て、カラオケをかましてるんですよ? 話してても、まったくしっかりしていてゆるぎない。
どうみたってそんなご高齢とは思えないわけです。
父が前のめりに70で亡くなったので、なんだこの差はと思いました。
で、いろいろお話をうかがっているうちに相当ひきこまれてしまいました。
もちろん大正生まれ。戦争にも行っています。ハルピンに出征後、沖縄本島か宮古島移動かで運命がわかれたそうです。
「沖縄移動なら、おわっていたでしょうね」
「そうだね。まさにそう」
「玉音放送は生で?」
「そうだね」
どうですか。昭和のテッペンからケツまで知ってるわけです。
正直、20代ごろの僕というのは、相当な老人嫌いでした。
サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」の主人公が、やはり老人に対する嫌悪感をあらわにしてこきおろすのですが、ずいぶんと共感したものです。
だけどこの年になって、老人の美学というものに気づきはじめました。
「長生きはするもんだ」などというセリフがありますが、これが「まったくそのとおりである」という生き証人と今日出会ったわけです。
彼は1世紀近く生きて、そしてその経験をしっかり他人にシェアできる立場にいるのです。そしてそれのどれもが美しい。
復員して無条件で警察への呼び声があったが、前職の日本製鋼に戻ったこと。そしてそれは母のすすめであったこと。理由は、一度お世話になっところに報いるべきであるということ。日本製鋼は諸手を挙げて彼を待ち望んでいたこと。
横浜から毎日、蒲田の会社(当時は7時開始)に通勤したこと。松竹の俳優候補に呼ばれたが、肌にあわず挫折したこと。なんでもない数えきれないエビソードが、今となってはいちいち美しいのです。
彼の半生は普通のサラリーマンだったのかも知れませんが、つまり、この世に無駄な人生などない、ということをじわじわと実感させられるものがあるのです。
僕は自分が長生きするとは思っておらず、よくて60歳くらいだろうと楽観していたのですが、それは「悲観」なのだと思い知らされました。
うーん、うまく言えないのだけど、「死んで花実が咲くものか」という言葉の実体がここにある。
家族を一人でもなにかしらのかたちだ失ったことのある人なら、この感じはわかっていただけると思う。
2012年12月30日
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