昨日、大崎駅に寄る際に確かめておこうと思っていたことがあった。LTEの入り具合だ。
電車による移動というのは、退屈なわけで、もともとバイカーだったこともあり、自分がただ物体として運ばれていることにイライラする。だからこんなくだらないことにささやかな楽しみを覚えてしまう。
というのも、auとソフトバンクが、なにやらLTE帯のつながりやすさについて争ってるという話題をどっかのサイトのニュース系トピックスで見かけたからだ。
争うというか、auが「うちの方がつながる」的な比較広告(非公式なものらしいが)を打ってるらしい。
その内容が、山手線全駅におけるLTE受帯の可否なのだけど、auが圧勝だそうだ。ただし、両方ともダメってとこもあって、そのひとつが大崎駅だったのだ。
ただ、このソースはどうも、ネットにおける検証記事らしい。
結果的には、ソフトバンクについては大崎駅でLTEは普通に入った。
ネットにおける比較検証記事はあまりあてにならないのかも知れない。
つまり、この僕の報告さえも信用できるものではないと言えるわけで、「改札じゃ入らないぜ」という結果もあり得る。だから、どこでどう入るかなんて、本来は気にしすぎるだけご苦労なハナシなのかも知れないが、LTEはつながると確かに爆速なので、やはり重要な要素なんだろうな。
なにしろ、携帯の強度バー表示で、LTEが一本だったとしても、3G5本より速い。
まあ、それはさておき、非公式なものにせよ、比較広告が出された場合、出す側になにかしら不利な状況があると見ていい。
過去の例をみても、弱味がある企業ほど、そういうのをやる。比較広告という攻撃的な手段を取るというのは、危機感があるからなわけで。
ソフトバンクがそれに対してどう出てるかは知らないのだけど、孫社長はことあるごとに「健全な競争云々」と言い、記者会見でも徹底して他企業を「さん」付けで呼ぶからして、露骨な反撃はないかも知れない。
ちなみにこれに影響受けてか、最近のdocomoの社長すら、呼び捨てだったAppleに「さん」を付けるまでになっててちょっと面白い。
さておき、調べてみるとiPhone5にかぎってはソフトバンクがどうもちょっとだけ有利のようだ。iPhone5対応の2GHz帯の基地数が全然ちがう。
本当に入りやすいのはソフトバンクのはずだが、問題はiPhone5以外の端末も使用しているため、混雑しやすいということだ。
auの2GHzの基地数はソフトバンクの三分の一程度だが、iPhone5にしか対応していないため、混雑していないとうこと。
つまり、フタを開いたらどっちもどっちという結果なんだけども、基地数が圧倒的に多いのはソフトバンクということに、auは焦ってるのかも知れないね。
僕はソフトバンクだけど、このキャリアになにか愛着があるとか、そういうのは全くない。むしろ、不満も多い。
iPhone5にする際、気分転換にauにしてやろうかと思ったくらいだ。でもやっぱりめんどくさかった。
ソフトバンクに関していえば、僕は東京デジタルホンからの顧客だ。忌野清志郎がCMしていたという理由だけで選んだ。(ちなみにdocomoは桑田佳祐だった)
J-PHONEに社名が変わり、ボーダフォンに買収されて、またソフトバンクに変わるなど、忙しいキャリアだったなと思う。
つながらない、その上電波の質が悪い、というのがソフトバンク。
顧客満足度では到底docomoやauには勝てないソフトバンク。
でも長い目で見れば、最後に勝つのはソフトバンクじゃないかなと思っている。
つながらないとか、電波の問題とかは、それはある意味、後発だっただけの話で、逆を言えばよくも短期間でここまできたなと思う。
つまり、成長しているのはなんてことはない、ソフトバンクの方だということ。
“クソ”フトバンクとまで言われたそれが、上位企業から比較広告を引き出すまでになってるのだから面白い。
社長が逃げも隠れもできないところまで顔出しちゃってるというのも期待できる。
したたかな孫社長については、見方によって功罪や好き嫌い分かれると思うけど、この人はもう負けられないでしょう。仕事や企業に人生がかかっちゃってる。
docomoにもauにもこんなのはいない。コケたら首がすげかわるだけなわけでしょう。
先日、ソフトバンクがイー・モバイル買収したかと思ったら、今度はアメリカのスプリント・ネクステルを買うだって?
スプリント・ネクステルはアメリカの第3位にあたる携帯会社だそうだが、上の2企業に大きく水をあけられており、かなり落ち込んでるらしい。大丈夫なのかなと思うけど、でもそれを言ったらボーダフォンだって孫社長の買収時は死に体だった。それはユーザにもそこはかとなく感じ取れるくらい終わりかけてた。報道する世間の風潮もこの買い物にどこか失笑気味だった。
Yahoo BBの強引な展開が気に障っていた人々も多いので、「この勇み足で潰れちゃえ」みたいな声まであった。
そして初代iPhoneが発表。しかし日本側はかなり冷めていた。というのも多くの関係者が、こんなの日本で普及しないと見ていたのだ。
そう、見ていたのは「関係者」であって、つまり頭のどこかで「普及されてたまるか」といった抵抗感や危機感があった。そういったものを煽るほど、衝撃的な発明だったわけだ。
日本での取り扱いに最初に手を挙げたのが孫社長。この時もまわりは「またこいつか」的な風潮で、「自らクソつかんだ」というノリさえあった。
で、今はご覧の通りだ。
そもそも、iPhoneを取り扱う上でのApple側の条件というのは相当厳しいものだったらしく、docomoはこれを飲めなかった。自ら生んだヒット商品のiモードに固執していたというのもあって、「iPhoneは日本では普及しない」というスタンスになった。で、今も飲めない。
対して、孫社長はこの厳しい条件を飲んだ。喜んで飲んだとも聞いている。ジョブズと友人だったというのも大きいのかも知れない。
これがなかったらもしかすると、大袈裟に言えば未だに日本ではiPhoneはなかったかもしんない。
現在、docomoはiPhone5の波でMNP流出が増加しているという。
ただ、これは別の見方をすれば、アメリカ企業に日本の市場が奪われているということになる。
そういう見解でこの事象に抵抗を感じる人がいるならば、海外進出を果たそうとしているソフトバンクとキャリア契約するなどして、応援したらよろしいと思う。
うまくいけば、日本のキャリアの端末が海外市場に出るという初の事態になるかもしれない。
まあ、なんだろうと構わない。
たかが携帯のハナシなわけで、どこのキャリアがどうなろうと本来は知ったことではないのだけど、これだけは言える。
この調子だと、最後に勝つのはソフトバンクだろう。
企業は人だということをソフトバンクは表している。
ジョブズが生きていれば、iOS6のマップがここまでひどくなったりはしなかったと断言できる。Google Mapの可能性に最も興味を示し、最も切り拓いた人物が、マップ機能をあなどるわけがないでしょう。
ソフトバンクが勝てなかった場合、それはdocomoやau側に匹敵する人物が現れるか、孫社長が長生き出来なかったという時だろう。
でも、どうもこの人は長生きしそうだね。
なにより、本人がそのつもりだろうと思う。
2012年10月12日
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