
プロメテウス
監督 : リドリー・スコット
出演 : ノウミ・パラス シャーリーズ・セロン マイケル・ファズベンダー ガイ・ピアーズ イドルリス・エルバ
新宿バルト9で3Dにて。
まず、いきなり残念なことを2点。
1点目。
リーアム・ニーソン主演、「THE GREY -凍える太陽-」の試写会招待に当った! にもかかわらず、ポストをしばらくのぞいていなかったために、招待券の封筒を開封したのが、試写会をすぎた今日であった。試写会は8/9、定番の一ツ橋ホール・・・・
くやしいのう、くやしいのう。(はだしのゲン風に)
残念なこと2点目。
「プロメテウス」が完全な失敗作であったこと。
少なくとも個人的にはダメでした。
「エイリアン」をよく知っている側からすると、「うおおおおおおお」というシーンもなかったわけではないんですが、それだけでなんとかなるものじゃありません。スペースジョッキーはマニアには「うほっ」かも知れませんが、それ以外の人にはなんの価値もありません。
まず、新しいものがなにひとつなく、ほぼ皆無というのがつらい。「ミッション・トゥ・マーズ」をもう一回やってるような感じなのです。
栄えあるシリーズ第一作は、明らかに「ホラー」だったのですが、そのホラーにもなりきれていませんし(PG12)、SFとしての妙もありませんし、アクションには中途半端だし、そして、なによりストーリーらしいものがありません。
この作品、僕は観る直前まで情報らしい情報を持ってなかったのですが、そもそもかなりの守秘体制が敷かれていたようです。
しかし、「一体どこのなにを秘密にしていたんだ?」と言いたくなるくらい、特筆すべき点が見当たらない。
あえて言うなら、「アラビアのロレンス」が3Dになっていた、とかかなwwww
製作費をSFXにこれでもかと吸われたせいか、そのしわ寄せが俳優費を圧迫したのかは知らないですけど、俳優陣もちょっと弱かったかなあ。
一本筋の通った、強い目的意識を持っているキャラクターが出てこないため、いきあたりばったりな話になってしまってる感が強いんですね。
一作目はホラーですから、リプリーの目的は、「生き残る」これひとつで充分なわけです。
今回は「人類の起源に迫る」ということなんですが、結果的にキャラクターたちは迫るどころか翻弄されるだけなので、ストーリーが生み出されないのです。
この「人類の起源」という、いわば「創造主」を異星人と仮説するテーマは、宗教的にもデリケートなものになりやすい。
そういうわけで、主人公と思われるエリザベスに十字架をかけさせたりしてるのですが、そういうものひとつとっても、そこへの信念というものがあまり描かれていません。
これだったら「コンタクト」のジョディ・フォスター演じる科学者、エリーのように、はっきり「神の存在は信じません」と言わせてしまうくらいの方がまだましで、エリーはこの信念をあらわにしたゆえに一度挫折を味わいます。
科学者というキャラクターは、なにを信じてるかがドラマの要素になるのですが、そういう哲学的な斬り込みもあまりなく、エリザベスはただ単に「あまりセクシーでもかっこよくもない、リプリーもどき」で終わってしまっています。
さらにもったいないのは、3Dで製作するような内容でもないという点。
リドリー・スコットにとうとうヤキがまわってしまったのでしょうか・・・・