2012年07月29日
クール・ランニング
クール・ランニング
監督 : ジョン・タートルトーブ
製作 : ドーン・スティール
出演 : レオン・ロビンソン ダグ・E・ダグ ロール・D・ルイス マリク・ヨバ ジョン・キャンディ
さあ、オリンピックですね!!
見てみたい気もするんですが、テレビを家に置いていないんです。
というのも、地デジに移行する際、これを機にテレビなくしてしまおうと思ったんです。
たぶん、これから先も生活に取り入れることはないと思うんですが、スポーツが観られないのはちょっとつらいね!!
ということで、「クール・ランニング」wwwww
数度目の鑑賞です。パンフレットもたぶん、実家にまだあると思うなあ。
あまりにも有名な作品ですので、さすがにストーリー紹介は省きますw
何度観ても見事な作品ですね。誰でも垣根なく楽しめる娯楽作品。しかしそれを作るのは簡単ではなく、無数の映画人が目指してはやまない到達点のひとつです。
たとえどんなに難解な作品を作るような監督でも、映画の道に入るきっかけとなる「最初に出会った一本」というものがあったりします。そしてそれは、大抵がこうしたささやかな娯楽大衆作品であることも多いのです。
コーチ役の名コメディ俳優、ジョン・キャンディ。この作品の日本公開後に亡くなりました。ショックでしたね〜。
なにげにこのポジションの俳優は多くないので、惜しいことをしました。
この作品は、ジャマイカとしては前代未聞の、オリンピック・ボブスレーチームが誕生するという実際のエピソードが元になっています。
しかしこれをただの感動モノではなく、コメディとして作ったところも勝因のひとつですね。常に笑顔で鑑賞できます。
しかし何度目かの鑑賞なので「さすがにもうないだろう」と思ったら、やっぱり最後は涙目になってしまいました。
この作品に対して、あまり構成や脚本を分析しすぎるのは野暮というもので、夢のない話でもありますが、ついいろいろと考えてしまいます。というのも、実は今、映画の脚本を書いていて、どうしてもそういう見方になってしまうんです。このブログでもあれやこれやと感じたことを書いていますが、それはなにより自分のためでもあるんです。
やっぱりあらためて勉強になるのは、そのまったく無駄のないつくり。約1時間半というお手軽な尺。だけどお腹いっぱいです。
なぜこんなに無駄なく構成できるかというと、やはりキャラクターたちがわかりやすい目的を持っていて、そのための行動のみを描くからなんですね。
物語の基本的構成要素の、
・キャラクター
・その目的
・それによる行動と、それによって引き起こされる葛藤
・それらによる結末
これ、わかっちゃいるけど、いざとなるとシンプルにやってみせる、というのが難しいのです。
前半の流れとしては、
・デリースはオリンピック出場を目指すジャマイカの陸上アスリート。才能は充分。
ここで、サンカが島の手押し車大会に出場するシークエンス。作品の重要なムードメーカーとなるサンカの情報提示と、サンカが手押し車大会のエースであること、そしてデリースの親友であることが提示される。
・デリース、予選でジュニアの転倒に巻き込まれて転倒。予選敗退。ジュニアはもちろん、おなじく巻き込まれたブレナーも敗退。
このあと、よくある「落ち込むデリース」などという描写はなく、即、デリースは次の行動に移っている。
・デリース、オリンピックを諦めきれず、委員長に直訴。はねのけられるが、そこでこの島にかつてのボブスレーの金メダリスト、アービングがいることを知る。
・親友のサンカをボブスレーチームに誘う。
・アービングを見つけ出し、コーチしてもらうように説得する。
・選手応募の説明会開催。予選でデリースと同じく敗退したジュニアとブレナーが参加。ボブスレー必須の4人チームが完成。
ここまで、デリース(とその仲間)の行動のみで構成されている。そして、ここまでいきついてしまえば、やはりその後も「行動」でストーリーが構成されていくのは言うまでもない。
しかもドミノ形式になっており、
デリース → サンカ → アービング → ジュニア → ブレナー
という風に、目的意識の発動がリレーで行われている。
特に後半は、落ちぶれた金メダリストのアービングの再起に焦点が当てられ、二本軸になる。これは実際に競技してみせる4人と、それを見守るかたちでしかないアービングという構図の弱点を補強する。
各キャラクターにもサブ・プロットが用意されている。
・ジュニア → 父からの独立
・ブレナー → 夢を実現する
サンカはブレナーの的はずれな夢を笑うが、唯一それを理解したのは、ブレナーが一番毛嫌いしているジュニアだ。そして、ジュニアが理解できる理由はやはり、ジュニアのプロットが関連している。
そして、今度はそのジュニアのプロット解決に、ブレアーが貢献するというかたちになっている。無駄がない。
発端となっているデリースの目的、「オリンピック出場」だが、後半の「予選通過」でそれはなされたわけで、第二段階の「メダル獲得」へと移行する。
アービングの過去の過ちを知っているのはデリースのみで、デリースは金メダリストの父を持つというのもあって、アービングという人間を見つめる立場になる。そこで「勝利とは?」「金メダルとは?」そういう漠然とした疑問が湧いてくる。それに対してアービングは、「勝利やメダルより尊いものがある」と言い、そしてそれは、「明日(決勝)でゴールすればわかる」と言う。
決勝での出走直前、アービングがデリースにかける言葉は、「ゴールで会おう(I'll see you at the finish line)」。
「ゴールする意義」と、それによってなにを得るかというこれが、後半のデリースのプロットとなっている。
この、キャラクターたちの目的が二段、三段ロケットのように展開し、押し上げあっていくスタイルは、良質な娯楽作品に見られる手法で、わかりやすい例が「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「カリオストロの城」などだが、こうすることによって物語が膨らんでいく。つまり、人はやはりなにかの積み重ねの結果に感動するということだ。
ところで、サンカは?
実は、サンカに個人的な強いプロットを与えなかったのが、この作品の妙で、サンカは「リア王」でいう「道化」の位置にあたる。
サンカは「自由な視点」の位置にいることによって、この作品に常に遊びを加えていく役割を担っているが、ひとつ重要な役割を果たすシークエンスがある。
彼がマイペースな人間であることを充分に観客に知らせた上で、脚本はチームが競技初日に惨敗するという苦境の時に「自分らしくやろう」と提案させ、打開の道を拓かせる。
デリースがアービングを獲得し、ジュニアは遠征資金を捻出し、ブレアーはジュニアが父に従って帰国するのを防いだ。そしてサンカは、彼らに「ジャマイカン」としてのソウルを思い出させ、真の力を発揮させることに成功させた。そしてこれらを導いたのはアービング。
これらによって、結局「一人でも欠けてたら成し得ないラスト」という安心できるかたちになった。
構成が二部構成というのもシンプルでいい。
・ジャマイカにおけるボブスレーチームの結成と強化
・カルガリーにおける戦い
これのみ。しかも、この2つはちょうど上映時間をほぼまっぷたつにするほどのバランスでわけられている。
ミッドポイントは、「念願のカルガリーという戦場にのりこむ」というもので、カルガリーの吹きすさぶ雪景色に、常夏育ちの選手たちは驚愕し、文字通り凍り付く。
そして、各部がまたさらに2部構成になっていて、そしてそれぞれのど真ん中に、さらにミッドポイントがある。
つまり細かく分けると4部構成で、各部にミッドポイントがあるわけだ。
第一部(ジャマイカ編)
上映スタート
デリースがボブスレーチームを結成しようとする (前半ミッドポイント)
結成 (第一部ミッドポイント)
カルガリーへ進出する資金がない (後半ミッドポイント)
カルガリー進出 (作品のミッドポイント)
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第二部(カルガリー編)|
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カルガリー到着 (作品のミッドポイント)
初めて雪のコース。まともにスタートすらできない大失態。(前半ミッドポイント)
他国の選手との確執が確立。練習に打ち込みはじめる。 (第二部ミッドポイント)
第一戦目で大惨敗 (後半ミッドポイント)
エンディング
よくできてますね。
まあ、味気ない分析はこれくらいにしといて、僕が個人的に印象に残っているのは、ジュニアのお父さん。いい俳優ですねえ・・・・
あまり多くは出てこないのですが、それぞれのシーンで見せるちょっとした仕草や表情が、只者ではありません。特にジュニアと別れる時、エレベーターの締まり際に見せる表情。
彼は息子をコントロールしようとしているが、それは溺愛するがゆえなんですね。
そしてやっぱりジョン・キャンディ。
デブなのにかっこいい。あらためて冥福を祈ります。
さて、今日は「ダークナイト」観てきます!!!!!!
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1815年、ロシアは否定の戦争が勝利した後で、もとは普遍的です、オーストリアの両国の制御する占領区を探して亡くなる自分あって、ひとつ沙皇任国王の“ワルシャワ大公国”から創立しました。それ以後、ロシア人はポーランドで横行して、絶えずポーランドの憲法を犯しますスーパーコピー時計