2012年07月12日

レ・ミゼラブル

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レ・ミゼラブル

監督 : ビレ・アウグスト
出演 : リーアム・ニーソン  クレア・デインズ  ユマ・サーマン  ジェフリー・ラッシュ


Huluで視聴。さすがに一日一本は辛くなってきてます。

原作自体は、個人的にはかなり早くから出会っていました。
小学校の時、ポール牧さん座長の芝居に出演したことがありました。僕は若様役で、ポール牧さんが市井の侍。その交流の話で、今は無き浅草国際劇場での興業。公演中に誕生日を迎えたため、ポール牧さんからプレゼントを頂いたのですが、その中に「ああ無情」があったのです。一応、児童書のかたちを取っていましたが、とんでもない厚さと重みがありました。

さてこの映画。1998年公開なので、14年も前の作品。コゼット役のクレア・デインズの若いこと初々しいこと(>_<)
それよりもさらに前の「ロミオ+ジュリエット」や「レインメーカー」以来お目にかかっておらず、いきなり「ターミネーター3」で見かけて「うわ! おばさん!」と焦ったのを覚えています。まさに"レ・ミゼラブル"・・・

いずれにせよ、この原作を完全に映画化というのは不可能に近いと思いますし、やはりこの映画作品も結構アレンジされています。
有名なミュージカルの方の内容は、もう20年以上も前に観たのでうろ覚えですが、焦点の当て方は似てるんじゃないでしょうか。
やはり看板にもなっているコゼットとのドラマと、ジャベール警部との確執です。

ジャン・バルジャンをリーアム・ニーソン。いい俳優ですよね。とにかく彼というだけで、今回観てみる気になったのです。
「ミッション」で印象に残り、「死にゆく者への祈り」で「あっ、なんか出てる!」と見つけて、それからマークしようとしていたのですが、とにかく長いこと端役でしか出会えない俳優でした。「ダーティー・ハリー5」では映画館を5件ハシゴした最後だったのでボーッとしてて、出ていることに気づかなかったくらいです。今思うと、ちゃんと顔出してるのにねえ・・・

サム・ライミの「ダークマン」で初主演(たぶん)。これなかなかの痛快作なのですが、今年に入ってまたDVDで観てみてびっくり。恋人役がフランシス・マクドマンドだったんだなおい!!www

「シンドラーのリスト」でスターの仲間入りしたと言ってもいいでしょう。

苦労人の彼ですから、ジャン・バルジャンも様になっています。この人は普通にしてても美しい苦悩顔ですからずるいですよね。


肝心なジャベール役にジェフリー・ラッシュ。この人はなんといっても「シャイン」ですが、最近では「パイレーツ・オブ・カリビアン」のスケスケ亡霊海賊、ヘクターでおなじみです!!
見た目が、個人的に原作からイメージしていたジャベールとはちょっとちがくって、どこか気品がありすぎたかなあ。
なぜそこまで執拗にジャンを追い詰めるのか、というのをやはり映画では完全に描ききる余裕が無いので、そのへんはもっと醸しだす必要があったかも知れません。上手い人なんですが、基本的に「もうちょっとやってもいいんじゃない?」と言いたくなるほど「おさえの演技」の人なので・・・・ただ、厳粛で、司法が宗教と化している男と考えたら、こういうのもありかな?


ファンテーヌにユマ・サーマン。マクロビオティックのせいか「キル・ビル」の時点ですでに鶏ガラのような女性になっちまってましたが、かろうじて艶と脂とフェロモンの残っている彼女が拝めます。それでも劇中、娼婦に身を落とした時に「ガイコツなんか抱けるか」などと言われてしまいます・・・・
ユマ・サーマンは中世の、薄幸女性がやっぱりいちばん似合いますね!! 中世顔ですよまさしく。


作品自体はどうだったかというと、「あたりさわりのない」出来です。とてもさらっとしてます。しすぎてる言ってもいいかも知れません。どちらかというとドラマ(ストーリー)を見せていく感じですが、個人的にはもっと「人間」に肉薄してほしかったですね。誰一人必死に生きている感じがしないのです。汗や吐息を感じません。痛々しいほど熱演しているユマ・サーマンが浮いて見えるくらいです。
ジャン・バルジャンも、司教の「銀食器はあげたよ」事件から、さらっと改心して、さらっと成功、さらっと市長などに登りつめています。捕らわれたジャベールをさらっと逃して、そのジャベールもさらっと最後、川に身を投げます。
こうまでさらっとサラサーティ夜も安心♪にされると、観た気がしませぬ。
「ジャン・バルジャン、がんばるじゃん!」と思わせてくれないと。(ごめんなさい)

1998年頃といったら、「タイタニック」とか公開されたばっかりのあたりで、「なんで今さらレミゼなの?」というのが役者にもスタッフにもあったのかも知れません。まあ、たしかによくこの企画が通ったなとも思います。
だから「まあとにかく原作は"テッパン"なんだから、それなりにやればかっこはつく!」的なノリしかなかったのかも知れません。

ヴィクトル・ユーゴはもういませんが、彼に見せてもOKが出るか? くらい焦って作らないとだめなんじゃないでしょうかね。


さて、「レ・ミゼラブル」は2012年版が製作されています。公開は今年になるんでしょうか?
個人的にジャン・バルジャンがもっとも似合う俳優はラッセル・クロウだと思っていたのですが、今調べたらなんと、ジャベール役やるそうですね!!!!! (まあたしかに年とりすぎてるか・・・・)
ジャン・バルジャンはヒュー・ジャックマンっちゅうことらしいけど・・・ええ〜〜〜? どうなんかな〜?w

ジャン・バルジャンは、かつてはジャン・ギャバンやジャン・ポール・ベルモンドなど名優がやってきたキャラクターですが(どれも観ていません)、時代なんでしょうかね。





posted by ORICHALCON at 07:15| Comment(0) | TrackBack(0) | Cinema
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