さて、少し経ってしまったのだけど、19日にトニー・スコットが亡くなりました。
遺書を遺して橋から飛び降りたということですが、なんとまあ…
映画ファンとしては、ちょっと残念です。
この人は「トップガン」がよく代表作とされますが、なかなかハズレの少ない監督でして、撮るものがいちいちキャッチーで観れてしまうんですな。
僕が一番好きなのは「クリムゾンタイド」なんですが、とにかく娯楽サスペンスといったらこの人、という感じです。
なんでもない会話シーンでも、これでもかと多角的に切り返すモンタージュは地味に他の娯楽作品に影響を与えてきたと思います。「ただしゃべってるだけなのに、なんかアツイw」みたいな。
いきなり自殺とかしちゃいそうなのは、むしろお兄さんのリドリー・スコットの方のような気もしないでもないんですが(笑)、でもよーく作品を思い返すと、やっぱり長生きしそうなのはリドリー・スコットの方だわなあ。
なにげにテケトーですからね…
なにはなくとも、ご冥福をお祈りいたします。
2012年08月23日
2012年08月17日
激弾ショット公演 「未必の故意」 観劇
去年の青果鹿の舞台でご一緒した、青戸則幸さん主宰の公演です。
一応役者のはしくれでもあった身からして一目置かざるをえない俳優、青戸さんとこの芝居ですから、それこそ早くから体験してみたかったのですが、やっと実現です。
小屋は王子のpit北/区域という、僕はお初のとこでした。
公にインフォはしていませんが、演出は青戸さんがされていると思われます。
こういうのはあたりまえなのかも知れませんが、まずキャスティングに隙がまったくなく、最後までのめり込んで観れました。
本は、驚異的とも言える量のセリフに彩られた、精神群像劇。2時間という尺はもう少しダイエットできたかも知れないとは思いつつも、セリフがどれもいちいち良くて、個人的にはかなりツボw
日本語の文体構造の妙を物凄く心得ていて、文学的、小説的とも言えます。
「未必の故意」というタイトル。これだけでそそられます。
これは簡単に言ってしまうと、「ある島」の島民の内輪だけで、ある意味、完全犯罪を構築せんがための模様を描いているのですが、それは「故意」を「未必の故意」にするということ。しかし、完全犯罪というのはひとつの視点にとどまっているうちは成功しないわけです。多角的でないとならない。
で、この犯罪の構築に巻き込まれてしまうキャラクターがいるのですが、彼が唯一、第三者的視点にいるわけです。
この客観的視点の彼は、その視点の利点でいいところまで構築の補強を行うのですが、結果的に「ひとつの視点に固定されてしまっている」人物に排除されてしまいます。
しかし、それを言ったら、すべての人間の視点が共有されるということはなかなかないわけで、実際に劇中では不具者のキャラクターらが独自の視点から、対立を示します。特に耳が聞こえない人物は常に「離れた視点」に置かれており、完全に共有できない側へ置かれてしまいます。(この役を、やはり去年ご一緒した鯨井くんが好演しており、必見です)
そして上のような構造は、普段、我々が日常的に対峙している現象でもあります。
たとえば、毎日勤めに出ている企業、学校、その他のあらゆるコミュニティなどなど。
特に企業などは、「内輪」の世界ですから、上のようなことが起こりがちです。
「この製品は売れる」などと勝手に盛り上がったり、会社の事情だけでプロジェクトを進めてしまったり。TV局などに起こりがちですが。
しかし、一旦世間に出した瞬間に「それはダメ」ということを一瞬で悟らさせれるわけです。
この作品も、最後の最後に、たったひとつの外側の視点に晒されることによって、あっけなくすべてが崩れ去ります。
そしてなによりも最高なのが、その「外側の視点」を、我々観客を使うかのような演出になっている点。ここで観ている僕らも我に返る感じがあるんです。憎いですね〜。
さすがに気楽にさっくり楽しめるといった類ではなく、それなりに集中力と体力を必要とする作品なんですが、その価値はあるので興味持たれた方はぜひ。18日までの公演です。
激弾ショット HP
こういう空間に浸ってみるのも悪くないですぞ。
一応役者のはしくれでもあった身からして一目置かざるをえない俳優、青戸さんとこの芝居ですから、それこそ早くから体験してみたかったのですが、やっと実現です。
小屋は王子のpit北/区域という、僕はお初のとこでした。
公にインフォはしていませんが、演出は青戸さんがされていると思われます。
こういうのはあたりまえなのかも知れませんが、まずキャスティングに隙がまったくなく、最後までのめり込んで観れました。
本は、驚異的とも言える量のセリフに彩られた、精神群像劇。2時間という尺はもう少しダイエットできたかも知れないとは思いつつも、セリフがどれもいちいち良くて、個人的にはかなりツボw
日本語の文体構造の妙を物凄く心得ていて、文学的、小説的とも言えます。
「未必の故意」というタイトル。これだけでそそられます。
これは簡単に言ってしまうと、「ある島」の島民の内輪だけで、ある意味、完全犯罪を構築せんがための模様を描いているのですが、それは「故意」を「未必の故意」にするということ。しかし、完全犯罪というのはひとつの視点にとどまっているうちは成功しないわけです。多角的でないとならない。
で、この犯罪の構築に巻き込まれてしまうキャラクターがいるのですが、彼が唯一、第三者的視点にいるわけです。
この客観的視点の彼は、その視点の利点でいいところまで構築の補強を行うのですが、結果的に「ひとつの視点に固定されてしまっている」人物に排除されてしまいます。
しかし、それを言ったら、すべての人間の視点が共有されるということはなかなかないわけで、実際に劇中では不具者のキャラクターらが独自の視点から、対立を示します。特に耳が聞こえない人物は常に「離れた視点」に置かれており、完全に共有できない側へ置かれてしまいます。(この役を、やはり去年ご一緒した鯨井くんが好演しており、必見です)
そして上のような構造は、普段、我々が日常的に対峙している現象でもあります。
たとえば、毎日勤めに出ている企業、学校、その他のあらゆるコミュニティなどなど。
特に企業などは、「内輪」の世界ですから、上のようなことが起こりがちです。
「この製品は売れる」などと勝手に盛り上がったり、会社の事情だけでプロジェクトを進めてしまったり。TV局などに起こりがちですが。
しかし、一旦世間に出した瞬間に「それはダメ」ということを一瞬で悟らさせれるわけです。
この作品も、最後の最後に、たったひとつの外側の視点に晒されることによって、あっけなくすべてが崩れ去ります。
そしてなによりも最高なのが、その「外側の視点」を、我々観客を使うかのような演出になっている点。ここで観ている僕らも我に返る感じがあるんです。憎いですね〜。
さすがに気楽にさっくり楽しめるといった類ではなく、それなりに集中力と体力を必要とする作品なんですが、その価値はあるので興味持たれた方はぜひ。18日までの公演です。
激弾ショット HP
こういう空間に浸ってみるのも悪くないですぞ。
2012年08月14日
アベンジャーズ

アベンジャーズ
監督 : ジョス・ウィードン
出演 : ロバート・ダウニー・Jr クリス・エヴァンス マーク・ラファロ クリス・ヘムズワース ジェレミー・レナー スカーレット・ヨハンソンサミュエル・L・ジャクソン トム・ヒドルストン
新宿バルト9の先行上映を3Dにて。
なんつーかもう、これはTDLのアトラクションのようなモノなので、あれこれ言うのは野暮ですな!!
アイアンマンやっぱいいな〜w あのスーツ欲しい!! マジ欲しいわ。
あ、でもスーツだけあってもだめなのか。胸に穴あけないとならないんだわね。
一番見てて照れくさいのはやっぱ、コスプレっぽいキャプテン・アメリカなんですが、あそこまで堂々とされるとやっぱかっこいいね。
でも結局一番無敵なのはハルクだったりして、とにかくもう、ハルクすごいです。やばいです。ここまで強すぎると爽快だね! あの不死身度はドラゴンボールの世界だなもうw
昨日といえば「プロメテウス」でしたが、なんと、カメオ出演(?)でハリー・ディーン・スタントンが出てきます!!!!!!!
若いころから老け顔の彼ですが、本当に老けてましたね。もう今の若い世代は知らないんだろうな〜・・・・
落下したハルクに話しかける警備員みたいな役なんですが、「あんたエイリアンか?」とまで言わせられてますwww
「困った時のサミュエル・L・ジャクソン」(と言われてるかは知らないが)、とてもわかりやすい、彼らしいキャスティングに収まっています。反則と言えるくらい、こういう場合にこういう感じで持ってくるとなんとか締めてくれる彼。
そして大ファンのロバート・ダウニー・Jr。もう大好きです。
若い頃はそんなに好きではなかった(むしろ抵抗があった)のですが、あちこちで見ているうちに虜になってしまいました。
ほんっとに最高ですよねこの人。
とぼけた役やらせると神がかるんですが、アイアンマンのスタークもハマり役ですよね。
さて、この作品ではやはり、「力とその責任」とか「平和と核」とか、なんつーか、そういうテーマも含んでいます。
アベンシャーズはヒーローではありますが、裏を返せば「世界で最も危険な兵器」なわけです。
アベンジャーズたちは最初はなかなか噛み合いません。これは世界中の国々が核を所有しているような感じなんですが、彼らが手を取り合ってひとつになった時、世界を守れるわけです。
まあ、そんなのはさておき、後半の戦争シーンはド迫力ですので、一人よりカップルや友人と行くといいでしょう。
観終わったあと、「あのシーンすごかったな〜w」とか、共有できる相手が欲しくなる映画です。ちなみに僕はいませんでした・・・
あ、それと、最後のスタッフロールは最後まで観ましょう。席を立たないように。最後の最後に、ナイスなボーナス・ショットがあります。お見逃しなく!!
この夏の目玉としては、「トータル・リコール」以外はこれで全部押さえたかな?
今回の「トータル・リコール」は原作をどう解釈して料理しているか興味があるので観たいのですが、DVDになっちまいそうだなあ。
とにかく、今年の夏は「ダークナイト・ライジング」が一等賞でした。
2012年08月13日
プロメテウス

プロメテウス
監督 : リドリー・スコット
出演 : ノウミ・パラス シャーリーズ・セロン マイケル・ファズベンダー ガイ・ピアーズ イドルリス・エルバ
新宿バルト9で3Dにて。
まず、いきなり残念なことを2点。
1点目。
リーアム・ニーソン主演、「THE GREY -凍える太陽-」の試写会招待に当った! にもかかわらず、ポストをしばらくのぞいていなかったために、招待券の封筒を開封したのが、試写会をすぎた今日であった。試写会は8/9、定番の一ツ橋ホール・・・・
くやしいのう、くやしいのう。(はだしのゲン風に)
残念なこと2点目。
「プロメテウス」が完全な失敗作であったこと。
少なくとも個人的にはダメでした。
「エイリアン」をよく知っている側からすると、「うおおおおおおお」というシーンもなかったわけではないんですが、それだけでなんとかなるものじゃありません。スペースジョッキーはマニアには「うほっ」かも知れませんが、それ以外の人にはなんの価値もありません。
まず、新しいものがなにひとつなく、ほぼ皆無というのがつらい。「ミッション・トゥ・マーズ」をもう一回やってるような感じなのです。
栄えあるシリーズ第一作は、明らかに「ホラー」だったのですが、そのホラーにもなりきれていませんし(PG12)、SFとしての妙もありませんし、アクションには中途半端だし、そして、なによりストーリーらしいものがありません。
この作品、僕は観る直前まで情報らしい情報を持ってなかったのですが、そもそもかなりの守秘体制が敷かれていたようです。
しかし、「一体どこのなにを秘密にしていたんだ?」と言いたくなるくらい、特筆すべき点が見当たらない。
あえて言うなら、「アラビアのロレンス」が3Dになっていた、とかかなwwww
製作費をSFXにこれでもかと吸われたせいか、そのしわ寄せが俳優費を圧迫したのかは知らないですけど、俳優陣もちょっと弱かったかなあ。
一本筋の通った、強い目的意識を持っているキャラクターが出てこないため、いきあたりばったりな話になってしまってる感が強いんですね。
一作目はホラーですから、リプリーの目的は、「生き残る」これひとつで充分なわけです。
今回は「人類の起源に迫る」ということなんですが、結果的にキャラクターたちは迫るどころか翻弄されるだけなので、ストーリーが生み出されないのです。
この「人類の起源」という、いわば「創造主」を異星人と仮説するテーマは、宗教的にもデリケートなものになりやすい。
そういうわけで、主人公と思われるエリザベスに十字架をかけさせたりしてるのですが、そういうものひとつとっても、そこへの信念というものがあまり描かれていません。
これだったら「コンタクト」のジョディ・フォスター演じる科学者、エリーのように、はっきり「神の存在は信じません」と言わせてしまうくらいの方がまだましで、エリーはこの信念をあらわにしたゆえに一度挫折を味わいます。
科学者というキャラクターは、なにを信じてるかがドラマの要素になるのですが、そういう哲学的な斬り込みもあまりなく、エリザベスはただ単に「あまりセクシーでもかっこよくもない、リプリーもどき」で終わってしまっています。
さらにもったいないのは、3Dで製作するような内容でもないという点。
リドリー・スコットにとうとうヤキがまわってしまったのでしょうか・・・・
2012年08月08日
帰ってまいりました
金沢から帰ってきました。
良かったですよ〜w
さすがに暑かったけども。てかまあ、日本全国暑いんですけどね。
お約束の兼六園は押さえましたとも!
こちらは霞ヶ池。

水面でわかる通り、雨がたまにパラパラだったんですが、通り雨的で、不快な感じはありませんでした。というか、たまに太陽が隠れて降ってくれるくらいが良いw
一番印象に残ったのがこの噴水!!!

日本最古(1861年)の噴水だそうで!
3.5mも噴き上がっているんですが、それがものすごい勢いでしてね。しかもこれポンプや電気などを一切使用しておらず、水の流れる高低差による圧のみで噴き上げてんですよ。
「いや、ウソでしょw」って言いたくなるくらい、見事に噴き上がっています。霞ヶ池の水位によって勢いが変わるそうなんですがね。
お次は金沢城公園へ。
大好きなお城です。
石垣博物館と呼べるくらい、石垣を楽しめます。特に二の丸を囲む堀側の打込み接ぎはめちゃ見事です。

石垣をのぞく上モノはさすがにほとんどが復元でして、珍しいことではないんですが、本丸も残っていません。跡地のみです。
かなり精巧な復元作業により、勇壮な菱櫓などを楽しめます。


櫓に上がると狭間からものすごい涼しい風が吹き込んできて、まさに天然のクーラー。動きたくありませんでした。

有名なひがし茶屋街もぶらつきました。
趣があります。


ちょっとした路地裏でもなかなかの風景です。

いやあ、金沢は観光都市ということもあって、北陸でも有数の都市だと思うのですが、それなりになるには、それなりの下地というのが必要です。たとえば、お隣の福井県福井市は、金沢ほどの発展は感じませんでした。観光都市ではないからというだけでなく、そういう下地を持った都市ではないということで、金沢はやはり加賀藩という大藩のお膝元だっただけに、都市の下地があるわけです。このお茶街などもいい例でしょう。
石川といえばこれ、天狗舞と菊姫!!!

一升瓶でいてこましたろうと思ったのですが、軽く2万円越えになってしまうので今回は720mlでw それでも日本酒にしてはさすがにいい値段になってしまいます。
なにはともあれ、ゴギゲンでござい。
良かったですよ〜w
さすがに暑かったけども。てかまあ、日本全国暑いんですけどね。
お約束の兼六園は押さえましたとも!
こちらは霞ヶ池。

水面でわかる通り、雨がたまにパラパラだったんですが、通り雨的で、不快な感じはありませんでした。というか、たまに太陽が隠れて降ってくれるくらいが良いw
一番印象に残ったのがこの噴水!!!

日本最古(1861年)の噴水だそうで!
3.5mも噴き上がっているんですが、それがものすごい勢いでしてね。しかもこれポンプや電気などを一切使用しておらず、水の流れる高低差による圧のみで噴き上げてんですよ。
「いや、ウソでしょw」って言いたくなるくらい、見事に噴き上がっています。霞ヶ池の水位によって勢いが変わるそうなんですがね。
お次は金沢城公園へ。
大好きなお城です。
石垣博物館と呼べるくらい、石垣を楽しめます。特に二の丸を囲む堀側の打込み接ぎはめちゃ見事です。

石垣をのぞく上モノはさすがにほとんどが復元でして、珍しいことではないんですが、本丸も残っていません。跡地のみです。
かなり精巧な復元作業により、勇壮な菱櫓などを楽しめます。


櫓に上がると狭間からものすごい涼しい風が吹き込んできて、まさに天然のクーラー。動きたくありませんでした。

有名なひがし茶屋街もぶらつきました。
趣があります。


ちょっとした路地裏でもなかなかの風景です。

いやあ、金沢は観光都市ということもあって、北陸でも有数の都市だと思うのですが、それなりになるには、それなりの下地というのが必要です。たとえば、お隣の福井県福井市は、金沢ほどの発展は感じませんでした。観光都市ではないからというだけでなく、そういう下地を持った都市ではないということで、金沢はやはり加賀藩という大藩のお膝元だっただけに、都市の下地があるわけです。このお茶街などもいい例でしょう。
石川といえばこれ、天狗舞と菊姫!!!

一升瓶でいてこましたろうと思ったのですが、軽く2万円越えになってしまうので今回は720mlでw それでも日本酒にしてはさすがにいい値段になってしまいます。
なにはともあれ、ゴギゲンでござい。